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おもしろインド

24時間無料食堂!インドの黄金寺院で10万食カレー作りボランティア

コロナ前に一生分のターバン男子が拝める場所・アムリトサル(インド)に泊まり込み、日本人一人で朝から晩までカレー作り(野菜カット)手伝ってきました。コロナが落ち着いた今、黄金寺院の様子も気になりますね。

ギラギラとエネルギーが渦巻くインドで、居心地が良くてまた行きたい場所はとっても貴重。北インド旅行計画中の人はぜひアムリトサルへ!

これからインドに行く人へ!全部実話のインドぼったくり体験談

ターバンに包まれる謎!シク教徒とは何ぞ

国内でたったの1.7%!世界で5番目に多い宗教

(シク教徒の男性は綺麗にターバンで髪を巻いている。おじさん渋すぎ)

<かんたん早わかりシク教まとめ>

どんな宗教 イスラム教とヒンドゥー教を融合
開祖した人 グル・ナーナク/Guru Nanak 
信者の数 世界で3000万人以上
特徴 ーバン巻く/髪・髭剃らない /剣持ってる/ 富裕層が多い
拠点 パンジャーブ州(パキスタンの近く・インドの左上)
聖地 黄金寺院(ハリマンディール・サーヒブ)

インド人と言えば脳内変換すると瞬時にターバン巻いた男性が出て来る人も多いかもしれませんが、実際に巻いているのはシク教の男性です。

シク教には「裕福な人が多い =教育水準が高い」ため、社会的や海外で活躍している人が増えて世界中でよく見かけるようになったことから、日本でもインド人 = ターバン姿のイメージがついてしまったと思われます(諸説あり)

人類みな平等!シク教徒のみなさんの考え方はこう

ヒンドゥー教はOK、でもカースト制は不平等で良くないのでダメだよ
髪の毛・ヒゲは神様からの贈り物、大切にしよう

→  ターバン登場

ナーナクさん(開祖)以外はみんな平等、性別・年齢・宗教関係ないよ

お寺に来た人みんな一緒にご飯を食べよう(カースト制だとこれはNG)

どんな職業でもOK、一生懸命働くと次の人生いいことあるよ
ナーナクさんのためにも、みんなで助け合ってやっていこうね

24時間無料食堂登場

※個人の見解です

男性は刃物を肌に当ててはならないという決まりもあって、髪をかなり長く伸ばしている人も多いです。ネットでも「ターバンを取ったら」というキーワードでよく検索されてるようなので、興味ある人は多いようですね。

ゴミ箱までキンラキラ!光り輝く黄金寺院とは?

(池の中央には佇む神々しい黄金寺院。中に入るには待ち時間1~2時間ほどかかります)

金箔の使用量 450kg
参拝方法 靴を脱いで裸足で入り、髪の毛を覆って、入り口で足を洗う
寺院の中 経典を音楽に乗せて読み上げ、スピーカーで24時間絶賛拡散中

金閣寺もひっくり返るような眩いこのお寺は、四方をアムリタ・サロヴァル(不老不死の池)に囲まれています。地名の「アムリトサル」の語源になったと言われています。

聖なる池ですここ。お寺の中でこの池の聖水を飲めるようなコーナーも用意してあります。お寺の外でも街角で無料で配ってまして、出勤前や散歩のついでにお越しください。

アムリトサルの街角で黄金寺院の聖水配るおじさんのお手伝い体験談

無料食堂ランガール(Langar)の配食ルーティーン

(入り口上側に飾られている写真の男性がシク教・開祖グル・ナーナクさん)

参拝で長時間歩くとお腹が空いてくるかもしれません。黄金寺院ではお寺に来た人は誰でもウェルカム、異教徒もOK、カーストや身分など関係なく、同じ場所で同じ食事を分け合って食べる場所として24時間稼働している無料食堂にも足を運んでみてください。

ここの食堂で働く人の90%はボランティア・使われている食材は無料で提供されています。グル・ナーナクさんの近くで奉仕できるのもシク教の人にとっては誇り高いことです。観光客でも外国人でも参加OK。

手を洗ったら、カレーをもらいに中に入りましょう。

①お皿おじさんから食器と食具を受け取る

(洗い立てホヤホヤのお皿をとスプーンをもらって食堂の中へ)

②2F(または1F)へ上がり、向かい合って1列に座って待機

(コロナ前なのでソーシャルディスタンスはなし)

食事の提供場所は2ヶ所で1階と2階の空いてる方へ。両方合わせて5000人入れるそうです。一気に配って、食べたらすぐ次の客が入るような牛丼屋並みの回転率です。

③カレーおじさんが回ってきて、カレーが配られる

(食堂のメニューは1種類、すべておかわり自由です)

一人のボランティアが1種類ずつ料理を配って回るシステムなので、カレーおじさん、チャパティおじさん、スープおじさん、デザートおじさん、お水おじさんがが順番にやってきます。お腹がいっぱいになるまで回ってきます。

カレーは辛すぎなくておいしいジャガイモカレー、この日のデザートはミルク粥みたいな優しい甘さがホッとします。隣に座ったおじさんにメニューを聞いたら、たまには違うカレーが出てくるようですが、私が滞在した2週間はずっとこれでした。

④食べ終わった人から食器を持って、階段を下りて1Fへ

(みんな結構食べるの早いし、歩くスピードも速い)

自分の食器は自分で片づけます。回収場所まで自分で持っていくスタイル。大切に作られた食べ物で、残す人はほとんどいませんでした。

⑤スプーンおじさんにスプーンを渡す

(食具は先に回収されます。立ってると疲れちゃうので着席スタイル) 

小物がなくなったお皿は、何故かおじさんからおじさんへバケツリレー方式で洗い場まで運ばれます。距離が近すぎてたまに一人抜かされて配達。もしかしてボランティアの人手が余ってるのかもしれません。

自分の食器は最後まで自分で洗いたい!という人は、この流れでこのまま洗い場ボランティアに参加できます。

誰でもできるよ!1日の作業工程ルーティーン

勝手にボランティア募集要項作ってみました

(Youtube:Food Insiderより)

ランガールはカレーを作る人、お寺周辺を掃除する人、お皿を洗う人、約300人程が全てボランティアで成り立っています。

ボランティア参加のルールもありません。募集要項があるとしたらこんな感じかな。

<ランガール ボランティア募集要項> 
・何時に来ても、いつ帰ってもOK、手伝わなくてもOK!
・作業ノルマなし!
・ボランティア申請なし!
・食事時間、休憩時間自由(無料のチャイ飲み放題付き)
・宗教の制限なし、男女OK、カースト制なし!
・宿泊OK!すぐ寝れます!

みんな、ありがたい神様の近くで役に立ちたいと思う気持ちでお寺に来て、次にお寺に来た誰かのためにお手伝いをしていました。

ランガール作業セクション一覧

  • 野菜カット場(カレーの材料をカットする) ★参加
  • チャパティ焼き場(1枚ずつチャパティをこねて焼き上げる)
  • カレー調理・食事提供係(食堂を巡回して食事を提供する)
  • 誘導係(食堂に入る人数の調整をする)
  • 食具配布・回収係(出入り口でスプーン、お皿、水入れの配布・回収する)
  • 皿洗い場(使用済のお皿、食具の洗浄・乾燥)男女別に作業する ★参加
  • チャイカップ配布・回収係(チャイの入れ物を配布・回収する)
  • チャイおじさん(蛇口をひねってチャイの量を調整する)

ボランティア作業スケジュール(独自)

いつどこで何を手伝っても良いので、自分で適当にルーティンを決めて過ごしました配給や誘導は男性の仕事みたいなので、主に野菜カット場と洗い場を行ったり来たりします。

朝食(2F ランガール) メニュー:その日の野菜カレーとチャパティ
9:00~ 薬味カット ニンニク・しょうがの皮むき・カット
12:00~ 具材カット 人参・ジャガイモ・玉ねぎカット
昼食(2F ランガール) メニュー:その日の野菜カレーとチャパティ
13:00~        皿洗い 男女に分かれて流れ作業
14:00~ 具材カット さやいんげん・唐辛子カット
15:00~   チャイ休憩 チャイおじさんからチャイをもらう
15:30~具材カット・皿洗い 切り終わってない野菜のカット
夕食(2F ランガール) メニュー:その日の野菜カレーとチャパティ 
~19:00 片付け・掃除 ホウキで野菜のクズをサッと履く
自由時間 お寺をぼーっと眺めたり、チャイを飲んで過ごす
就寝 その場で毛布にくるまって寝る

 

【9:00am】5時間ニンニクの皮むきと自分自身に向き合う

(ニンニクの皮やカスは最後に掃除していくスタイル)

下処理に時間のかかるニンニクの皮剥きから始まるランガールの朝。

さっきまでみんな毛布にくるまってそこで寝ていた場所なんですが、9時にはどこからともなく大量の皮付きニンニクが運ばれてくるで、「やれやれ…やるか」と、起き上がって場所を空けてくれます。

特に号令とか始まりの挨拶とかはありません。ニンニクが来たら人が集まります。

使ってないナイフ(錆びてるけど切れ味抜群)と皿を手に取り、適当に数グループに分かれて作業開始。ナイフが足りない場合は、使ってる人が飽きるまでニンニクの皮むきです。

(子どもでも大人と同じナイフを使って、一生懸命皮をむきます)

作業人数:50人前後

インドのニンニクは房が小さくてかなり剥きにくいんですよね。さらに大量で、毎日5時間は剥いてました。子どもからお年寄りまで黙々とナイフで器用に皮を剥き続けます。

食事が終わった人、お寺にお参りしてきた人など、少しずつ人が集まって来ています。少し横にずれて座る場所を空けてあげ、後から来た人も同じように静かに皮むきを始めます。

雑談とかしてる人はあまりいません。かと言って、ピリピリとした空気でもないし…みんなニンニクと真摯に向き合ってます。私も最初は「インドから帰ったら日本で仕事あるかな…」とか考えてましたが、後半は無になりました。

もしかしたらこの作業、瞑想と同じ効果とかあるんじゃないでしょうか。

【9:00am】心が無になる生姜の皮むき・カット

ニンニクと同時進行で生姜の皮を剥いてカットする作業に入ります。カレーなので調理に使う順番に切っているのかもしれません。

生姜の皮むきも結構細かい作業で…集中力が続かず。「ちょっと2Fでカレー食べてくるわ。じゃね」と、お昼やチャイ休憩に席を立つ人も多いです。数時間ちょっとやって帰る人もいます。

私は気分転換も兼ねてニンニクと生姜のグループを行ったり来たりして、薬味の女として作業することにしました。

【12:00pm】人参・じゃがいも・玉ねぎカット

両手にニンニクのニオイが染み込んできた頃、作業人数もピークになり、次々とカレーに使う野菜が到着します。じゃがいも、にんじん、玉ねぎなどは種類別で1列で向かい合って一口大に切っていきます。

インドの人達の手元を見ていると、板に野菜を置いてトントンって切ってる人があまりいませんでした。空中でナイフの刃をサクサク動かして切っていくスタイル。真似したら指を切りました。

10万人分の食事なので…その量も半端じゃなく、数時間切っても切っても終わらず…またいつの間にか無の境地に入るのでした。

(お昼の時間からは何故か女性が多い)

作業人数:100人前後

玉ねぎのグループに移動すると、シュパパパ…と料理番組のアニメのような速さで玉ねぎを切るおじさんを発見。手元を見ずに玉ねぎを切り刻む華麗なナイフ捌き。皮を剥いてからみじん切りまで、1玉5秒という驚異の速さです。

この玉ねぎおじさんは、毎日ボランティアに来てるようです。

ここには特にその場を指揮する人も作業を急かす人もいません。ある程度野菜が切れたら、麻の袋を持った人がかき集めて運んでいく。入れ替わり立ち代わり誰かが来て作業しては、それぞれのタイミングで抜けていきます。

玉ねぎおじさんは「もう疲れたから、チャイ飲んで帰るわ。じゃ」といなくなってしまいましたこれで365日24時間この食堂が成り立ってるんだから本当にすごいなぁ。

【13:00pm】皿洗い

お腹が空いたので作業を抜けてお昼に行きました。

真っすぐ戻らず、気分転換に洗い場へ向かいます。参加方法はかんたんで、腕まくりして、空いてる場所に入っていけばOK。作業は男女別に別れていて、男性は洗浄後のお皿をまとめて乾燥させ、女性は使用済みのお皿を洗うという役割が分担されています

洗い場が3ヶ所に仕切られているので、流れ作業で隣の人に渡していきます。ほぼ、ただの水で洗ってただけなんですが…最後の方はお皿もピカピカになっていました。

【15:00pm】チャイ休憩で糖分を補給

洗い物が続いて疲れたのでチャイ休憩を入れることにしました野菜カット場のすぐ隣で24時間チャイを配っています。なんとここは蛇口をひねると、温かくておいしいチャイが出てくる不思議なタンクが設置してあります。

蛇口付近にはチャイおじさんが1人配置されているため、おじさんが蛇口をひねって量を調整してくれます。私もここのポジションが良いなぁ。

温かくて甘いチャイを飲みながら、ボーッとするのが心地良い時間です。

【17:00pm】切り終わっていない野菜のカット

大きい野菜が切り終わると、チリや豆の皮剥きなどの人数が少なくても作業できる食材に移っていきます。

朝からずっと作業に参加している人もいれば、夜だけフラッと来て30分くらいやっていく人もいます。かなり作業人数は減って20人程度になってしまいました。

切る物が無くなり次第、その場所はサッサッと掃いて寝床に変わります。

【18:00pm】自由時間

(夕方の美しすぎる黄金寺院。客引きとの戦いで疲れたインド旅での癒しの場所です)

夕方になると、夕日焼けが黄金寺院に反射してとても綺麗なので、作業エリアから離れて黄金寺院の周りの散歩に出かけます。

お寺の中には楽器を弾く楽師がいて、ゆったりしたテンポの音に合わせて歌を歌うように経典を読んでいます。これがお寺周辺にスピーカーで1日中流れていて、めっちゃ居心地が良いんですよね。

祈ってる人、セルフィーを撮りまくる人、座って黄金のお寺を眺める人…みんな好きなように過ごします。食事(無料)も飲み物(無料)もあるし、寝る場所もある。最高か。

時間がゆっくり流れてるような感覚が味わえます。来世にインドに生まれたらここに住みたいくらいです。

【21:00pm】ピカピカ光るお寺を崇めつつ就寝

夜はライトアップされたお寺を眺めながら、歌のような経典がゆったり流れる中そのまま床に横になります。

朝になったら、カレーを食べてまた野菜を切ろう…私はシク教徒ではないですが、この聖地で何日も過ごすインド人が多いのも納得出来るとても素敵な場所でした。

しかし帰国後しばらく両手からニンニクの臭いが消えず、手元から強烈に香るニンニク臭で寝付けない日々に…日本でも旅の余韻が続いたのでした。

コロナ後の今は?黄金寺院の状況をチェック

各所にアルコールおじさんが配置されている

(Youtube:ANI NEWSより)

ここでは、お寺内にそれぞれ色んなボランティアの仕事があるのですが、コロナウイルスの猛威を受けて新ポジションが配置されていました。

アルコールおじさんです。お参りに来る人たちの手に丁寧にアルコールを配っています。これはこれで良いと思うのですが…何かの台の上に置いた方が良くない?台より人間の方が参拝者の消毒率が上がるのでしょうか。

しかし、インド国内での規制により参拝者はコロナ前に比べて減ってはいますが、黄金寺院の門は開かれているので、ボランティアや食堂も引き続き活動しているようです。

 

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