インド

【10万食のカレー作り】聖地アムリトサルの無料食堂でシク教徒に混ざる2週間

インドとパキスタンの国境近くのパンジャーブ州・アムリトサルではシク教を信仰するインドの人達が多く暮らしています。シク教徒の聖地にある黄金寺院では、インド中からお参りに来る人のため、24時間365日無料で10万食のカレーを提供しています。

このお寺に2週間通い、毎日朝から晩までカレー作りの手伝い(主に野菜カットと皿洗い)と街角で聖水を配っていました。この記事は【無料食堂・カレー編】です。

①世界で5番目に多い宗教!シク教徒とは?

イスラム教徒ヒンドゥー教を融合した宗教で、インドの人口の約2%を占める。(信者は約3000万人を超え、世界で5番目)

・男性は髪の毛を切らないため、ターバンを巻いている。ちなみにこのターバンはバイクでヘルメット代わりに着用可。

・開祖はグル・ナーナク。シク教の考え方は、ナーナクとその他の人間は性別・宗教・年齢・カースト関係なく平等である。

②黄金寺院とは?

450kgの金箔で覆われたシク教総本山。四方を「アムリタ・サロヴァル(不老不死の池)」という池に囲まれる。(鯉らしき魚が泳いでいる)

・参拝者は髪の毛を覆い、裸足で入り、入口前で足を洗って中に入る。(髪を覆うオレンジスカーフ貸出あり)

寺院内で楽器を奏でるスペースがあり、経典を音楽に乗せて読み上げ、スピーカーで全体に流している。

無料食堂「ランガール(Langar)」での食事方法

ランガールがある理由とは?

グル・ナーナク以外の人はみんな平等だとう考え方のため、カーストや身分など関係なく、同じ場所で同じ食事を分け合って食べる場所としてこの無料食堂があります。

①お皿おじさんから食器と食具を受け取る。

②食堂の中に入って2Fへ上がり、向かい合って1列に座って待つ。入り口上側に飾られている写真の男性がシク教・開祖グル・ナーナクさん。

③カレーおじさんが回ってきて1種類ずつ食事と水が配られる。全ておかわり自由。食べ終わった人から食器を持って、階段を下りて1Fへ。

④スプーンおじさんにスプーンを渡し、お皿はバケツリレー形式で洗い場に運ばれる。

 

③10万食分のカレーは全てボランティアが作っている!1日の作業工程

どうやって無料食堂が運営されているのか?

ランガールの食材は全てお寺にお参りに来る人の寄付で賄っており、カレーに使われる野菜も毎回全く同じとは限らない。カレーを作る人、お寺周辺を掃除する人、お皿を洗う人、約300人程が全てボランティアで成り立っています。

ボランティア参加のルールもありません。申請も必要ないし、何時に来ても良いし、いつ帰っても良い。こなすノルマもないし、いつ休憩しても良い。どんな宗教でも良いし、年齢もカーストも男女も関係ない。みんな、ありがたい神様の近くで役に立ちたいと思う気持ちでお寺に来て、次にお寺に来た誰かのためにそこでお手伝いをしていました。

ランガール作業セクション

  • 野菜カット場(カレーの材料をカットする) ★参加
  • チャパティ焼き場(1枚ずつチャパティをこねて焼き上げる)
  • カレー調理・食事提供係(食堂を巡回して食事を提供する)
  • 誘導係(食堂に入る人数の調整をする)
  • 食具配布・回収係(出入り口でスプーン、お皿、水入れの配布・回収する)
  • 皿洗い場(使用済のお皿、食具の洗浄・乾燥) 男女別に作業する ★参加
  • チャイカップ配布・回収係(チャイの入れ物を配布・回収する)
  • チャイおじさん(蛇口をひねってチャイの量を調整する)

私の作業スケジュール

いつどこで何を手伝っても良いので、自分でルーティンを決めて過ごしました配給や誘導は男性がやるみたいなので、主に野菜カット場と洗い場を行ったり来たりします。

朝食(2F ランガール) メニュー:その日の野菜カレーとチャパティ
9:00~ 薬味カット ニンニク・しょうがの皮むき・カット
12:00~ 具材カット 人参・ジャガイモ・玉ねぎカット
昼食(2F ランガール) メニュー:その日の野菜カレーとチャパティ
13:00~   皿洗い 男女に分かれて流れ作業
14:00~ 具材カット さやいんげん・唐辛子カット
15:00~   チャイ休憩 チャイおじさんからチャイをもらう
15:30~具材カット・皿洗い 切り終わってない野菜のカット
夕食(2F ランガール) メニュー:その日の野菜カレーとチャパティ 
~19:00 片付け・掃除 ホウキで野菜のクズをサッと履く
自由時間 お寺をぼーっと眺めたり、チャイを飲んで過ごす
就寝 その場で毛布にくるまって寝る

一日の作業行程

 
9:00~ ニンニク皮むき

2Fで朝食(カレー)を食べてから野菜切り場へ向かう。お皿を片付けたらすぐ右側にカーペットが敷かれた場所が見える。8時半頃までみんな毛布にくるまってそこで寝ている。

ここの朝は、時間のかかるニンニクの皮剥きから始まる9時にはどこからともなく大量の皮付きニンニクが運ばれてくるので、食材が到着したら適当に数グループに分かれて作業開始。

 
作業人数:50人前後

インドのニンニクは房が小さくて非常に剥きにくい。毎日5時間は剥いていた。大人も子どもも黙々とナイフで器用に皮を剥き続ける。

食事が終わった人、お寺にお参りしてきた人など、少しずつ人が集まり出す。少し横にずれて座る場所を空け、来た人は同じように静かに皮むきを続ける。ナイフが足りなければ手で剥いたりしている。


生姜の皮むき・カット

同時進行で数グループが生姜の皮をむいてカットする。調理に使う順番に切っているのかな。結構細かい作業なので、集中力が続かず、お昼やチャイ休憩に席を立つ人も多い。数時間ちょっとやって帰る人もいる。

 
12:00~ 具材カット

両手にニンニクのニオイが染み込んできた頃、作業人数がピークになり、量の多い野菜が到着。じゃがいも、にんじん、玉ねぎなどは種類別で1列で向かい合って一口大に切っていく。

ナイフは錆びていたけど、何故か切れ味は良かった。

 
作業人数:100人前後

毎日来てるというおじさんは、横のおじさんと話をしながら手元を見ずに玉ねぎを切っていた。皮を剥いてからみじん切りするまで、驚異の1玉5秒の速さだった。

特にその場を指揮する人も急かす人もいない。ある程度野菜が切れたら、麻の袋を持った人がやってきてかき集めて運んでいく。入れ替わり立ち代わり誰かが来て、作業してはそれぞれのタイミングで抜けていく。

これで365日24時間この食堂が成り立っているってすごい。

 
13:00~皿洗い

お昼(カレー)を食べたら、気分転換に洗い場へ向かう。腕まくりして、空いてる場所に入っていけばOK。作業は男女別に別れていて、男性は洗浄後のお皿をまとめて乾燥させ、女性は使用済みのお皿をどんどん洗う。洗い場が3ヶ所に仕切られているので、流れ作業で隣の人に渡していく。最後の方はピカピカになっていた。

 
15:00~ チャイ休憩

洗い物が続いて疲れたのでチャイ休憩に向かうことにした。野菜カット場のすぐ隣で24時間チャイを配っている。さらになんとここは蛇口をひねればチャイが出てくる不思議なタンクが置いてある。

チャイおじさんが1人配置されているため、量はおじさんが蛇口をひねって調整してくれる。温かくて甘いチャイを飲みながら、ボーッとするのが心地良い。


17:00~切り終わっていない野菜のカット

大きい野菜が切り終わると、チリや豆の皮剥きなどの人数が少なくても作業できる食材になっていた。

切る物が無くなれば、その場所はサッと掃いて寝床に変わる。


18:00~自由時間

夕方になると、夕日焼けが黄金寺院に反射してとても綺麗なので、作業エリアから離れて黄金寺院の周りの散歩に出かける。

お寺の中には楽器を弾く楽師がいて、ゆったりしたテンポの音に合わせて経典を読んでいる。これがお寺周辺にスピーカーで1日中流れていて、とても心地が良い。

祈ってる人、セルフィーを撮りまくる人、座ってお寺を眺める人…みんな好きなように過ごしていた。食事も飲み物もあるし、寝る場所もある。時間がゆっくり流れてるような感覚で、いくらでもこのお寺にいられる気がした。

黄金寺院は、バラナシとはまた違う聖地の雰囲気を纏ったお寺だった。

21:00~就寝

夜はライトアップされたお寺を眺めながら、歌のような経典がゆったり流れる中そのまま横になる。朝になったら、カレーを食べてまた野菜を切ろう…私はシク教徒ではないけど、この聖地で何日も過ごすインド人が多いのも納得出来るとても素敵な場所だった。

ちなみに、帰国後も両手からニンニクの臭いが消えず、手元から強烈に香るニンニク臭で寝付けない日がしばらく続いた。

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sishamoo
旅に出た時、他の旅人の情報を元に行先の参考にする人は多いはず。次に旅する誰かのために繋げるサイトを目指して残します。 2020.3月 新型コロナウイルス蔓延のため、失業中。しばらくはコロナ自粛を乗り切るための活路を見つけるサイトになります。インドが好きなのでインドのちょっと変わったニュースを紹介中。