モロッコに行った人が確実に口にするであろう国民食のタジン鍋。とんがり帽子のこんな形の鍋で食べる料理です。

タジン=北アフリカの鍋料理で陶器の鍋のこと。砂漠地帯の多いモロッコでは、貴重な水をなるべく使わないよう、少量の水と食材の水分で蒸し煮にする調理方法。
蒸し料理なので、ヘルシーな調理法が受けて日本でも昔流行っていました。当時は「面白い形の鍋」としか記憶になかったのですが、ところがどっこい、スパイスが強すぎず日本人の口にも合う野菜と肉の旨みが凝縮されたとんでもない絶品料理だったのです。
地元の奥さんが教えてくれるって言うんだから、行かない理由がありません!
目次
①モロッコの料理教室 予約・メニュー内容
料理教室名 | アーバン・アドベンチャーズ(URBAN adventures ) |
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Webサイト | https://www.urbanadventures.com/Marrakech-tour-tajine-cookery-class(英語) |
実習時間 | 4時間(簡単な英語で行われます) |
最低人数 | 1人参加OK |
値段 | 534MAD(¥5945くらい) 小人:6-11歳値引きあり、6歳以下無料 |
支払い方法 | 事前にクレジットカード払い |
申し込み先 | info@marrakechurbanadventures.comまたはWebから |
①世界中で様々なアクティビティを開催
こちらのサイトは68ヵ国(日本含む)・157都市・ローカルガイド1750人・1391種類のアクティビティツアーを運営する猛烈な会社です。プライベートツアーや面白いツアーが多いので惹かれてここに決めました。良いレビューも多く、申し込みのやり取りもスムーズで信用できます。
②参加者が喜ぶ工夫あり
タジン鍋は蒸し料理のため、待ち時間が30分程発生します。その間、ただ調理して食べるだけではなく、試食の時にはテーブルに真っ白なクロスを敷いてオシャレに飾り付けてくれました。これだけで食べるのが楽しみになり待ち時間も気になりませんでした。また、ウェルカムドリンクとして、レッスン前にモロッコの定番ミントティーを目の前で入れてもらえます。
③お腹いっぱいで満足感たっぷり
1つのタジン鍋で2~3人分は作れます。具材だけではなく、一緒に絡めたオリーブオイルにもスパイスの味が染み込んでいて、パンに浸して食べると最高です。さらにモロッコの定番サラダとデザートも付いてくる(自分たちで作る)ので、お腹がはちきれるくらい満腹になります。
料金に含まれるもの
- ガイド付きローカルマーケットツアー(簡単なアラビア語レッスン付き)
- 伝統的な家・リヤドでのクッキングレッスン
- レッスンに必要な全ての材料費
- ウェルカムドリンク(ミントティー)
- レシピ
料金に含まれないもの
- ホテル送迎(集合場所はジャマ・エル・フナ市場内のため)
- ガイドへのチップ
- マーケットでの個人的な費用
レッスン開始時間と日程
- 最大グループ人数:12人
●ドレスコード:モロッコはイスラム教を信仰する人が大多数のため、肌の露出があると宗教施設や一般の家庭には入れません。肩・胸・膝を覆うようなゆったりとした服装で参加すること。
9:00am | ジャマ・エル・フナ市場で講師と待ち合わせ |
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9:15am | ローカルマーケットツアーと食材購入 |
9:45am | リヤド到着 調理開始 |
12:00pm | 試食(かなりお腹いっぱいになります) |
1:00pm | 終了・解散 |
材料集めにローカルマーケットへ!新鮮過ぎる食材に衝撃
集合場所は巨大マーケットで有名なジャマ・エル・フナ市場。その奥には地元の人が暮らす”メディナ”という迷路のような小道が続くエリアがあります。迷い込んだら出てこれないかもしれないくらいくねくねしていて、そこのどこかで地元の人が食材を買う市場まで行きました。

シェフが最初に連れて行ってくれたのは鶏肉屋さん。何とまだ生きている状態で売られており、注文が入ってから目の前で首を切り落として血抜きをし、お店の機械にポンと入れてボタンを押すと、羽が全てむしり取られた状態でプルンと出てきます。剥きたてホヤホヤ。命を頂くとはこういうことだ…と再確認。ありがたや。
私は東南アジアで見慣れていましたが、衝撃が強いので参加した人で見れない人は、は違う場所で待機していました。

そして次は今回のレモン・チキンタジン鍋に欠かせないレモン。生のレモンではなく、塩漬けにして暗所で数か月置いたものを使います。一緒に調理することで鶏肉とソースがレモンの風味がついてより美味しくなります。
シェフが「おじさんホームレスだけど、ここのレモンが良いのよ~」と寄ったお店は布にレモンが数十個並べられているだけでした。もちろん働いてるのもおじさん一人。少数精鋭で勝負しているお店です。


買い物を終えて、くねくねしたメディナの中を通り抜け、シェフのご自宅に到着。もうどこを通って来たのか分からず、一人では帰れません。
一歩中に入ると、外側からは想像もつかないくらいオシャンティな空間が目の前に広がり、すっかりたまげてしまったのでした。とても素敵なおうちです。
モロッコの宿泊施設の呼び方の違い
リヤド:アラビア語で「木の植えられた庭」または「中庭のある家」を意味する言葉。古い邸宅をリノベーションして造った施設。
ダール:アラビア語で「家」の意味で、リヤドよりも小規模で中庭が無いものが多い。


こんな素敵なおうち、天井はどうなってるんだろう…と思い、上を見上げたら屋根がありませんでした。どこまでも青い空。鳥だって舞い降りてきます。雨は滅多に降らず、家の壁を高くすることで日陰が出来るようにしている造りだそうです。確かに家の中は涼しい。

調理開始前に、香りが爽やかミントティーを目の前で注いでくれます。このティーは砂糖がたっぷり入って激甘なのですが、慣れると美味しく感じてきて、店で注文するようになるくらい好きになった不思議な飲み物です。


爽やかなレモン風味・モロッコの絶品伝統料理は切って混ぜて煮込むだけ!
ミントティーを飲んでる間に先程買ってきた材料をテーブルに並べてくれました。

●材料
鶏もも肉/玉ねぎ/ニンニク/ライム/レモンの塩漬け/オリーブ/オリーブオイル/水/パクチー/クミンパウダー/ジンジャーパウダー/ターメリックパウダー/塩・胡椒
レモンの塩漬けを皮と身に分け、身の部分をほぐして鶏肉に散りばめる。その上からライムを絞って軽く和える。皮は別で使うのでとっておく。


玉ねぎはスライス、ニンニクみじん、パクチーを1cm程にカットして鶏肉の上に乗せる。何故かみんな座ってカット。私だけ落ち着かず立ってカット。


スパイス系を一気にいれて野菜・鶏肉としっかり馴染むように和える。

水・オリーブオイルを加えて火にかけます。タジン鍋は、水が貴重な砂漠地帯で工夫して生まれた料理です。水は少量であとは食材から出る水分とこのトンガリのフタで蒸気が滞留し、旨みを閉じ込めていきます。
最後の10分程でオリーブを投入し、再度レモンの塩漬けの絞り汁と皮のスライスを加えます。ちなみに家庭のタジン鍋はカラフルではなく、このようにシンプルなものが多いようです。指してるスプーンは味見用で置く場所が無いのです。笑


蒸し料理のため、待ち時間が発生します。タジンのバリエーションご紹介。こちらは手のひらサイズの可愛い調味料入れタジン。スパイスが入っています。可愛いすぎて開けた時に叫んでしまいました。


こちらはパン用のタジン。この帽子があるのと無いのでは大違い。異国感が増します。ちなみにタジンと一緒に食べるモロッコのパンは丸くて大きなサイズで、スパイスが染み込んだソースも絡め取って食べます。これがやみつき。止まらない。


フタを開けた瞬間、スパイスとレモンの香りが一気に広がり、かなり食欲をそそられます!この鍋は直径18cmくらいの大きさで2~3人分ですが、パンも食べるので全員お腹がはちきれる程食べました。鶏肉も柔らかく味が染み込んでいて絶品です。

モロッコでは目にしない日は無いタジン鍋ですが、作ってみると簡単で材料も日本で手に入りやすくすっかりハマってしまいました。ガスで作るのが一番美味しいですが、通販でIH専用のタジンも手に入るので気分を変えて楽しんでみてください。