私の携帯はインド製なので、地域コード?がインドに固定されています。毎朝どこにいても一番最初に目に入るのはインド国内のニュースです。
そのニュースサイトに“Corona Virus Positive Stories” という、コロナに関するインドの良い話を集めたカテゴリが出来ていました。「日本語でも出てるのかな?」とネットで探してみましたが、出ていないものが多いです。
ここでは私の携帯に届いた面白いインドの話やいい話を紹介していきます。内容は私の言葉で要約してあります。
センス抜群!AIを活用した画像付きのロックスクリーン
インドのおもしろニュース!コロナ禍でのいい話まとめ
1.みんなで洗おう!ケララ州警察の手洗いダンス
日本でもピコ太郎の手洗いダンス動画が話題を呼んでいましたが、南インドのケララ州の警察が撮影・リリースした動画も負けていません。
ケララ州では1月の最初感染者確認から、この動画が出た時点は24件の感染が確認され、18,000人が健康観察中です。
軽快なリズムに合わせて、市民に正しい手洗いの仕方を伝えるのもまた任務。
こうやって警察自ら工夫して呼びかけてくれるのはとても素敵です。
よく見たらステップ踏んでる時間の方が長いような…?
2.お届け先まで960km!ポリスバイク便のお薬配達
インドのロックダウンは日本よりもはるかに厳しく、外出するのも難しいです。そんな中、バンガロール勤務の警察クワラスワミーさん(47)がTVの地方ニュースで目にしたのは、ガンと闘う患者が薬を必要としていること。
その薬は大都会バンガロールでしか手に入らない物でした。
翌日、クワラスワミーさんはTV局の事務所から聞いた患者の番号に電話をかけ、薬を手に入れました。さらに上司に許可を得た後、Hondaのバイクをかっ飛ばして往復960kmの旅に出たのでした。
食事は水のペットボトル1本とビスケット1袋のみ。過酷な旅でしたが目的地まで10時間かけて無事に到着しました。この過酷な行動を取った理由は?という質問に彼はこう答えています。
「ただ助けたいと思ったからです。」
惚れてまうやろ。
ただ純粋に誰かのために行動できるって簡単なようで難しい。クワラスワミーさんのような気持ちを忘れないでいようと思った話でした。
3.規則を守らない観光客に喝!”ごめんなさい”500回
ヨガの聖地・リシケシュでは、警察よりも学校でよく見る光景がそこに広がっていました。コロナ感染者が国内で8000人を超え、ロックダウンで感染拡大を防ごうとしている中、規則を守らない外国人観光客が懲らしめられています。
罰をうけているのはメキシコ、イスラエル、オーストラリア、オーストリア出身を含む10名で川沿いを歩いているところを見つかり現行犯された模様。
警 : コロナが蔓延しているんだ!インドのルールと規制に従いなさい!
観 :申し訳ありませんでした ←あぐらで座りながら返事
警 : 軽い罰を与える!出来なければ刑務所に入れるからな!「外出制限を守らず、大変申し訳ありませんでした」と500回書きなさい!分かったな!
観 : …!?
結構シュールな罰です。他にもインドの各地で観光客がじっとしていられず、ウロウロして見つかりカエル跳びの刑や腹筋の刑を受けているケースが報告されています。
日本でもラグビーワールドカップで警察に「騒ぎまくる外国人サポーター何とかしてよ…」と思った瞬間がありました。
外国人にもこうやってきっちり叱れるインド警察はすごい。
4.家の中で過ごしてね!コロナパトロール隊増殖中
インドの各地で警察によるコロナキャンペーンが行われています。ダンスをしながらコロナの恐ろしさを説明したり、コロナに仮装して家から出ないように声かけをしたりインド警察の工夫が話題です。
グジャラート州では、警察がコロナヘルメットの他にもアイテムを増やしフル装備でパトロールへ。動画では、市場で営業している人たちに1件1件丁寧に説明して回り、貧しいエリアに暮らす人たちにも家で過ごす意味とその大切さをきちんと説明している姿が映っています。
「人に何かを説明する時、愛を持って楽しませるような方法で行うと人はより迅速に行動に移してくれます。」とインタビューにも答えています。確かにこれなら嫌味なく納得しちゃうかも。
インドから学ぶことって結構多いのでは…?
5.みんなで乗り切ろう!国民を思う気持ち込めた愛のマスク
「コロナから国民の命を守りたい」というサビタ・コーヴィンド大統領夫人の気持ちが、多くのインド国民の心にも届いています。
ネット上では、夫人自らミシンの前に座ってマスクを縫う画像と共に感謝のメッセージで溢れています。
出来上がったマスクは、デリーにある複数のシェルターに配られる予定です。サビタ夫人は社会福祉活動に力を入れていたので、今回の行動に至ったのでしょう。
国のトップがここまでしてくれるなんて、インドの人達がとっても誇らしい気持ちになるステキなニュースです。
いいなぁ…
参考記事:INDIA TODAY”First Lady Savita Kovind stitches face masks for Delhi shelter homes.”
6. 生徒のためなら場所を選ばず!木の上の青空教室
ロックダウンで子どもたちは学校に行けず、自宅でのオンライン学習に切り替えています。歴史教師のスブラタ先生(35)も在宅勤務になり、オンラインで授業をしていましたが電波の悪さに頭を悩ませていました。
そこで考えました。より良い電波を受信できる場所はどこか?
答えは…より空に近い場所、ニームの木の上で授業を行うことにしたのです。日が昇り、強い日差しや急にトイレに行きたくなっても耐えながら毎日木に登り、インドの長い歴史で王や将軍が築いた文明がどうなったか、戦争や疫病の恐ろしさについて語り、授業を続けました。
スブラタ先生の友人たちも竹で木の上に足場を作ってサポートし、生徒たちの出席率も高いので彼が授業を続けるモチベーションになっています。
学びたいという気持ちと教える側の熱意があれば、授業なんてどこでもできますね。
7.頑張ってるお巡りさん!冷たい飲み物と笑顔のおすそ分け
4~5月のインドは1年で一番暑く、天気予報を見ると既に毎日35℃越えです。今月の半分は40℃越えの日が続く予定…毎年熱波で死人が出ていて、もう灼熱地獄です。さらにこのコロナで厳しくなっている厳戒態勢。
そんな灼熱の日差しの下、1日中働いている警察の人たちへステキな差し入れがありました。
記事のリンクに貼ってある動画には、スプライトとファンタの2ℓペットボトルを持った女性が弾けるような良い笑顔で話している姿が映っています。彼女は暑い中働いてる警察の人達は喉が渇いてるだろうと、冷たいジュースを差し入れようとしている所でした。
しかし、この女性の月の稼ぎは3500ルピー(5000円くらい)。とても裕福な方ではありませんが、ここから数百ルピー使ったようです。
彼女の優しい気持ちが嬉しくて、警察の人たちは気持ちだけ受け取り、ジュースは彼女の子ども達に持って帰ってあげるように言いました。
このニュース、登場人物全員いい人。
8. 超シュール!町中を爆走する手作りコロナカー
インドの中南部にあるビリヤニの聖地・ハイデラバードではついにコロナの形をした車が道路を疾走しています。これを作ったのはカーミュージアムのオーナーでもあるスダカールさん。
一人乗り用の1000CCエンジンを積んだ車を改造し、製作期間10日で仕上げたようです。目的はコロナに対する市民への注意喚起と外出自粛のメッセージを伝えること。40kmは余裕で走れます。
スダカールさんは、地元では変わった車を作ることで知られる有名人。これまではAIDSの注意喚起でコンドーム型の車、安全のためのヘルメット型、健康のためのたばこ型の車を作ったりしているようです。
Youtubeに走行中の動画が載ってたので見ましたが、ウイルスが町中を彷徨ってる感じで中々シュールです。
うちの近所にもこのおじさん住んで欲しい。
参考記事:INDIA TODAY”Hyderabad man makes coronavirus car to spread awareness”
9. ロックダウンはツラいけど、みんな明るく過ごそうね!
もうコロナがパンデミック認定されてからもうすぐ2ヵ月が経とうとしています。家の中で出来ることは限られるので精神的にも結構きつく、ストレスの発散に悩む人も出てきました。
そんな世界中がステイホーム中のロックダウン真っただ中、音楽の力でみんなのモチベーションを上げようと、自宅のバルコニーでファミリーコンサートを開催した夫婦がいました。
そんな時、インドにジャナタ門限が発令します。
ジャナタ門限(Janata Curfew)
3月19日、モディ首相による緊急演説が行われ、22日にJanata Curfew(全国民外出禁止令)という、一部を除き午前7時から午後9時までの一切外出禁止令。
今までにない緊迫した状況に国民も不安です。当日、デリー在住のミュージシャンのヒテシュさん夫婦が2人の息子と共にドラムやギター、奥さんはマイクを持ってバルコニーに登場。
人気の洋楽からヒンディー語の歌まで、1時間にも及ぶライブコンサートを行い近所の人たちを元気付けました。
参考記事の動画にはバルコニーからリズムを取りながら踊るおじさんや、手拍子する人々の楽しそうな姿が映っています。
こういうパフォーマンスは、日本ではあまり無いですが、みんなで頑張ろうという気持ちが伝わるステキな方法の一つだなと思いました。
10. コロナと戦う人たちへ!インド中が感謝の拍手
実は、9番目に紹介したニュースには続きがあります。ジャナタ門限で一切の外出禁止を発令したインドのモディ首相は、演説でこう続けました。
「午後5時になったら5分間、命をかけてコロナウイルスと戦う医療従事者や、必要な社会サービスを提供してくれている全ての人たちに感謝の念を込めて拍手を送りましょう。」
このメッセージを受けて人々はバルコニーや窓、玄関に立ち拍手を送ったり、ベルを鳴らしたり、歌ったり、お皿とスプーンで音を鳴らしたり、インド犬もつられて吠え出す…
とにかく音が出る物なら何でも手に取って、インドのために働いている人たちへ感謝の気持ちを送りました。
モディ首相はこのコロナ対策で、国民からの支持率93%まで急上昇し先進国トップの信頼度。演説でもゆっくり力強く、しっかりカメラを見て首相自身の言葉で語りかけています。
インドの人口13億人を束ねるのは簡単ではないでしょう。しかし、国のリーダーへの信頼度がこのニュースで分かります。モディ首相かっこいい。
日本もがんばろう…
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