バイク天国、ホーチミンの朝のラッシュアワーは凄まじいです。
おびただしい数のバイクの脇をすり抜けて、向かった先は地元の小さなお店。
そこは世界中から寄付された食材を使って、誰でもおいしいご飯を20円で食べられる素敵な食堂です。1週間全力で手伝ってきたので、体験をご紹介します。
1食20円!ベトナム最安・スマイル食堂の詳細
名前 | Smile restaurants(Quan Com Nu Cuoi) |
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施設の目的 | 特定地域の低所得者へ栄養バランスの整った食事の提供・食生活の改善 |
食数 | 300食 |
開店時間 | 9:00-13:00 |
ボランティアの仕事内容 | 調理補助・料理の盛り付け・配膳・清掃 |
参加費 | 無料(1食分まかない付) |
住所 | Address: 488 Truong Chinh, District Tan Binh, HCMC |
連絡先 | Email: quancomnucuoi2@gmail.com |
参加方法① | 直接メールアドレスに連絡して参加可能な日程を伝える。宿泊費・現地までの交通費は自己負担。 |
参加方法② | 海外ボランティアサイトIVHQのFood Out Reach Programから参加可。 |
ヌードルの日!300食のフォーが売れまくる1日の始まり
バイクの波をかき分けて、スマイルレストランに到着しました。ここの食材は世界中からの寄付で賄っているため、毎日メニューは変わります。地元のシェフがお店にある食材で300食作っていきます。
基本はご飯・スープ・主菜(肉か魚)・副菜(野菜を使ったもの)ですが、何と週に1度、ベトナム人なら大好きなヌードルDayという日が存在します。
この日はご飯を食べにくるお客さんも多いし、盛り付けも気合が入ります!
9:00am①スープ用の野菜を洗ってカット
このボランティアは私を入れて3人+シェフ(料理の上手い地元のおっちゃん)。毎日人数は変わるみたいですが、一週間で一番混むこの日が4人。ちょい少ないですが、いる人間でやるしかありません。
私の最初の仕事はこのアジアでよく見る小っこい玉ねぎを洗って皮をむくこと。大きさはミニトマトの一回り大きいくらいで、量はこの樽があと3個分。それはそれは果てしない作業でした。右の写真は子どもが2人くらい入りそうな寸胴に大量の洗ったもやしとネギ。
そしてよく洗った木のまな板の上で、トッピングのライムとチリをひたすらカット。
10:00am②鶏肉をスライス
今日のフォーはチキンのエキスがたっぷり入ったフォー・ガー(鶏肉)です。スープのだしに使った肉はトッピング用にどんどんスライスしていきます。途中で飽きて来ますが、配食までまだまだやることがあるので必死にスライス。
みんなこの工程では、10スライス中2スライスの割合でつまみながらやっていました。あー美味しかった。
10:30am③食堂セッティング
テーブルで食事が出来るように、トッピングを小皿に分けて、箸やティッシュをセッティングします。1度に30人~40人くらい座れます。各テーブルに2色の調味料も小皿に移してセット。オレンジ色はチリソースで、茶色のタレは味噌味。
どちらもフォーの味をさらに美味しくするので、みなさんドバドバ使います。
10:45am④持ち帰り用フォーの袋詰め作業
店内用ではなく、家で持ち帰って食べる人もいるので50袋程せっせと具と麺を詰めていきます。タイでも思ったけど、東南アジアの人はこうやってビニールの結び方をよくやってるイメージです。私がもたもたやってるうちにさっさと終わっていました。
11:00am⑤店内用フォーの盛り付け
鍋の前に立っている男性が本日のシェフです。料理上手そうな後姿をしています。手前の大鍋にスープ、左の寸胴でフォーの麺を黙々と茹でています。その間に我々は丼ぶりに麺と具を盛り付けていきます。提供する時はこれにスープをかけるだけなので、かなり楽になります。
200杯程作った所で、一旦お昼休憩。先にまかないを食べるスタイルで、盛りたてをいただきました。もちろん味は激ウマです。肉も柔らかくて、お代わり必死の今までで食べた中で一番おいしいフォーでした。
11:30am⑥開店・配食
いよいよ開店!ランチタイムなので次から次へとお客さんが押し寄せてきました。来店した人にフォーの丼を渡してから席に案内します。客層はこのお店の周辺で働いている工事のおじさんや子連れのお母さんやお年寄りも来ていました。
男性は最初から2杯分買っていっても、1杯20円なので2杯食べても破格の安さです。
1:00pm⑦片付け・清掃
用意した300杯が飛ぶように売れていき、あっという間に完売。いつもよりお皿の数も少ないので洗うのもサーッです。みんなでテキパキと床を水拭きして解散しました。
ボランティアに来ていた地元のベトナム人の人達は学生が多く、食材管理をしたり、ここでちょっと手伝った後で学校に行くよ~という人もいました。そんなこと学生時代に考えたことなかったよ…と自分の学生時代を少々反省しました。
このような場所の存在は、経済的に苦しい状況の人にとってかなり有り難いはず。お客さんがおいしそうにご飯を食べる姿を見て、少しでも忙しい時間のお手伝いができて良かったと思います。コロナの今はどうなってるんだろう。落ち着いたらまた行きたい場所です。