ネットでよく見かけるのは「トルコ風」アイスです。しかし、やっぱり納豆や片栗粉などの代用品を使わない本物のサーレップパウダーでトルコアイスを作りたい。その執着心情熱を欲しいままにし、ついに自宅(日本)でおいしい手作りトルコアイスが完成しました。
チョコレートを豆から自力で作ってみた
おうち時間で作れる!おいしい本格トルコアイスレシピ
「トルコアイス 渡さない」で検索する人多数!
https://www.youtube.com/watch?v=YXNFuPAxK8A
(Youtube:全然渡してくれないトルコアイス屋より)
トルコアイスと言ったら、このやり取り。注文してから中々渡してもらえない。これはタイでもインドでもトルコでもトルコアイスのスタンドではお決まりのようです。
Youtubeにもたくさん動画が上がっていますが、子ども相手でもやってるので泣いたりブチ切れてる子もいました。お店のおっさん容赦なし。喜んでるならいいけど、そこまでしなくても…ねぇ。
まぁ、これができるのもこのアイスに粘着性があるからですね。その原料はサーレップ(Sahlep/Salep)。所説ありますが、山のふもとで作ったアイスを山の上にいる人にも届けるために、暑い気候でも溶けないようこの工夫がされたと言われています。
原料のサーレップはトルコから輸入禁止!入手方法は?
サーレップはランの花の球根を乾燥させて粉末にしたものです。ビタミンやミネラルなど栄養豊富で消化管粘膜の保護にも効果があり、さまざまな治療薬の代わりにもなっていたようです。この粉末に温めた山羊の乳と砂糖を加えて混ぜて飲み物を作り、トルコでは寒い冬の定番になっています。
しかし、1kgのサーレップパウダーを作るのに1000本以上のランの花を引っこ抜き、球根を使うことになるため絶滅種になりかけているという…現在はトルコ政府が輸出禁止にしています。
では、私がどうやって手に入れたのか。近所のケバブ屋を数件回って聞いてみたり、トルコ食品のお店に出向いてみたり、通販のトルコ食品サイトに問い合わせたり…うざい日本人だったかもしれません。調べるのにかなり時間がかかりました。
やっぱり日本国内で手に入れることは不可能です…となると、ネットで買うしかない。サーレップパウダーはトルコだけではなく、他の国でも飲まれているのでトルコ以外の国から購入することにしました。
でも、それってやっていいことなのでしょうか?もうサイトの購入ボタン押しちゃいましたけど…。
農林水産省に確認済!日本に輸入する時に気を付けること
知らず知らずのうちに密輸とかになっていたら怖いので、植物防疫所に電話して一緒に確認してもらいました。サーレップは植物の球根なので、海外から植物類を輸入する場合は植物検疫が必要になります。
それでは、今回手に入れたブツを検証していきます。輸入元はこちらのサイト。
※国や輸入の量によって各国ごとに規制が違うので、個人で輸入する場合は事前に植物防疫所に確認することを強くオススメします。
<国際郵便で植物を輸入する場合の注意点>
①植物検査証明書の免除対象かどうか
通常、輸出した国と輸入した国の両方で検査が必要なのですが、植物防疫法で病害虫が付着していない、土などのついていない栽培用ではない植物など一定の条件を満たせば添付必須の証明書が免除されます。
サーレップは乾燥させてあり、土もついてないし、小麦粉よりも少し粗目に粉砕されているなど一定の加工が施されているのでOKとのことでした。今回は植物検査証明書はいりません。
②輸出元の国で規制がかかっていないかどうか
国によって制限している植物が違います。植物防疫法以外にもワシントン条約や外来生物法にも引っかかっていないか学名でチェックします。
トルコからの輸入は禁止ですが、今回輸入元の国(ギリシャ)ではサーレップは輸出制限の対象になっていないようでした。チェックする場合は各国共通の学名を使います。
サーレップの学名:ラン科ハクサンチドリ属/Orchis mascula(オルキス・マスクラ)
③梱包に植物検疫検査合格のハンコがあるかどうか
日本に植物類が国際郵便で輸入された場合、郵便局で植物防疫官が検査を行います。梱包の外側にハンコが押されていれば検査は合格、輸入OKと判断されたものです。押されてない場合は、再度郵便局に連絡して検査が必要になります。
到着時に荷物に合格印書が押されていたので合格!何かこちらから提出したり申請したりすることもなさそうです。これで無事、密輸の疑いは晴れました。
サーレップを購入したい!安全に手に入るサイトは
・品名:100%ギリシャ産サーレップ乾燥パウダー
・値段ː¥1,432~(税込) 在庫わずか!
・最小購入単位ː18g~
◆購入サポートはjapanagathiya@gmail.comまで連絡ください
⇒輸入はちょっと抵抗が…国内で手に入るトルコアイスを楽しみたい人はこちら🍧
📝イスタンブールでトルコアイスを食べたい人はこちらのお店へ!👀
トルコアイスの有名チェーン店!ピスタチオ味は外せない、マド(Mado)
材料4つで完成!トルコアイスの作り方
<材料>
・牛乳 1本(1000ml)
・砂糖 200g(お好みで甘さは調整)
・バニラエッセンス 数滴
・サーレップパウダー(無添加) 小さじ1杯半
下準備…サーレップと砂糖は事前に混ぜ合わせておく
本来は山羊の乳を使ったり、ローズウォーターを少し加えて香りをつけたりするようですが、ちゃんとトルコアイス自体作れるかどうかも心配なので今回はシンプルなレシピにしました。
本物のサーレップを公開!これがトルコアイスの伸びる元
サーレップの見た目 | すりゴマ |
サーレップの匂い | 桜餅 |
サーレップの味 | 球根 |
写真だけでは特徴が分かりにくいので、身近なもので表にまとめてみました。香りはほのかに桜餅のような匂いがします。
桜餅の香りの元はクマリンという芳香成分です。もしかしたらラン科のサーレップにも含まれているのかな?と思って調べてみましたが、信用できる情報が出てこないため不明です。
そのまま食べてみると、ジャリジャリ…土っぽくて球根かじってる気分でした。おススメしません。笑
調理開始!①鍋に牛乳を入れて中火で加熱する
砂糖を溶けやすくするため、少し温めます。牛乳1本丸々開けたけど…失敗しないかな?
②砂糖とサーレップを加えて、弱火で30分~40分煮詰める
事前に砂糖と混ぜたサーレップを投入し、かき混ぜながら煮ていきます。少しずつ粘りが出てくるので焦げないように混ぜる手は休めずに動かします。
火から下ろすまで見た目がほぼ同じなので、分かりやすく一覧表を作ってみました!(個人の感想です)この表で言うと、練乳レベルまで固くなってきたら火を止めます。
加熱前 | 牛乳 |
10分後 | 飲むヨーグルト |
20分後 | ホイップクリーム(泡立て前) |
30分後 | ホットケーキの生地(加熱前) |
40分後 | 練乳 |
練り上げ | 山芋 |
完成 | 自然薯 |
(トルコアイス調理過程 柔らかさ一覧表)
③容器に移し、粗熱を取る
最初は牛乳多くない?と思いましたが、この時点での出来上がり量は591g、水分が蒸発してほぼ半分くらいまで減ってしまいました。
粗熱が取れたら数回混ぜます。そうすると、アイスが空気を含み、練乳レベル→ふんわりしたおろしたての山芋にレベルアップします。
④冷凍庫に入れ、30分置きに練り上げる
トルコアイスはここからがハイライト。冷凍庫に入れて30分冷やす→練るを4セット繰り返します。だんだん粘り気が増してきて、山芋→山菜の王者・自然薯レベルまで固くなっていきます。
この辺まで来ると、トルコ風アイスで粘りを出すために使われる納豆や片栗粉では出せないような弾力感があります。その後は冷凍庫で5時間以上寝かせて作業はおしまい。続きは明日です。
⑤食べる前に再度練って完成!どんな味?
食べる直前、最後にもうひと練りして上からピスタチオやナッツなどをお好みでふりかけます。白い器に白いアイスを盛り付けるという痛恨のミス。
でもおいしかったです。桜餅のようなほんのり甘い香りと、口の中ですぐに溶けずに水あめのような弾力のある食感が楽しめました。
トルコでは確かナイフとフォークでガシガシ切って食べてたような…舐めるのではなく、咀嚼して食べようという強い意志を感じますね。ガッツのある方、ぜひお試しを!✨