コロナ対策として早い時期からインド全土のロックダウンを開始し、厳しい限界体制…と思いきや外出した罰として「ウサギ跳び100回」「ごめんなさい300回書き取り」などちょっとシュールな処罰も各地域で行われています。
英語も話せて、ITや数字も強い。これから急成長を遂げるであろう、ポテンシャル大国インドは、新型コロナウイルスに対しても、インド警察や国民のアイデアを生かして全力で戦っています。
おもしろい話ここにもあるよ!インドに親近感湧くニュース10選
ロックダウン中インドが変異株に奮闘!コロナ対策は?
⑪コロナに戦う全ての人へ!魂が叫ぶ刑務所ライブ
コロナと戦っている人々へ感謝の気持ちを伝える方法はたくさんあります。インドの西側にあるインドールの中央刑務所敷地内では、警察が見守る中、受刑者によるライブパフォーマンスが行われていました。
ウィルステストの結果、既に刑務所内でも10人に陽性反応が出ていて、他にも30人程症状を抑えるために隔離されているそうです。パフォーマーは4人ですが、最前線で活躍してる人たちを元気付けるためにライブやるなんて、みんな本当はいい人達なんじゃないでしょうか…。
下にリンクを貼った記事へ飛ぶとライブの様子が見られます。私は「魂が叫ぶ」とタイトルを考えてから動画を見ましたが、ボーカル2人はそんなに激しい様子ではなく、一番激しいのは打楽器担当の顔付きでした。
いつも思うけどインドの歌ってリズム取るのが難しいです。
参考記事:Hindustan Times”Indore Jail inmates’ musical performance to encourage Covid warriors”
⑫コメディアン作・振り切った(自称)コロナウイルス公式ソング
この濃い顔付きの彼は、南インド出身のスタンダップコメディアンで、コロナウイルスの注意喚起を促すため(のはず)に動画をアップして話題を呼んでいます。
Youtubeではコロナをテーマにした歌がいくつも配信中。私はかなり自粛生活に疲れてきた時に見たためか、インドアクセントとこの曲が妙に頭に残り、一番ニヤリとしたので気に入っています。好みはそれぞれですが…笑
イントロのセリフ一部紹介
(A)Hey there. I saw you using that public ATM and then sticking your finger in your mouth. I see you like to take risks. What’s your name?
やぁ、そこの君。公共のATMなんか使って、しかも指を口に入れるのを見たぞ。リスクを冒すのが好きなようだな…何て名前だ?
(B)Niti…Humanity. What’s yours?
Niti..Humanity(人類)だ。君は?
(A)CORONA. CORONA VIRUS.
コロナだ。コロナウイルスだよ。
(B)Oh, no…
Oh, no…
(A)Comon girl, why don’t you take off that face mask so we can get..INFECTIOUS!
いいじゃないか、そのフェイスマスク外したらどうだ?そして俺たち…感染しようぜ!
動画は3月に公開されてから168万回再生され、いいねが2.4万件。動画が良いか悪いかは別として、この状況を笑いに変えて乗り切るインド人の性格は、憎めなくて好きな所です。
⑬インドだけ?二輪で走るトラクターから見出した希望
世界的に経済が落ち込む中、インドのやり手自動車メーカーの会長・アナンドさんがある動画からインド経済を希望の光を見つけたと投稿して話題です。
その動画(リンク下から飛べます)は、陽気な音楽と共に2人の男性が楽しそうにトラクターを走らせている様子で、4つのタイヤのうち前輪と後輪が1つずつで絶妙なバランスを保ちながら進んでいます。
アナンドさんは「明らかに交通違反ですが、この動画で励まされました。全輪揃ってなくても、絶妙なバランスでインド経済が進んでいく方法を見出すでしょう。」とコメントしました。
これを見た数千件のユーザーがコメントし、「インドでしかありえない!」「大切なのは前に進んでいることだ!」など多くの人が励まされています。
トラクター走らせる方もすごいし、ここから経済が回復する希望を持つ視点も中々持てない気がします。「インドの田舎ではよく見る光景」っていうコメントもありました。よく見るんか…?インドのポジティプマインドを垣間見たニュースでした。
参考記事:NEWS 18 INDIA “A ‘Two-wheeler’ Tractor is Giving Anand Mahindra Hopes for India’s Economy”
⑭結婚資金をコロナ対策へ!インド人カップルの決断
結婚式は人生に一度の大イベント(個人によってその限りではない)です。特にインドでは同じカースト同士のお見合い結婚もまだまだ多く、離婚率も2%と言われる程の一族にとって大切な儀式です。
さらに何と言ってもど派手で盛大です。家柄や地域によりますが、私が参加した友人の結婚式には1000人ものゲスト(全然知らない人も参加できる)がひっきりなしに会場に到着し、2日間かけて大量のインド人を目の当たりにしたので軽くインド人酔いした程です。
オディシャ州に住む2組の新婚カップルは、そんな大事な結婚式を内輪だけでひっそり行い、コロナで苦しんでる人たちへの支援として、費用の一部を地域のコミュニティに寄付することにしました。
通常であれば、会場には色とりどりの花が敷き詰められ、踊りまくり、食べ続け、数日間かけて盛大に祝う結婚式。新婦側の家族が金品や家・車などを花婿側に渡すインド独特の習慣があったり、結婚式費用は年収の3~4倍になる程気合いが入るイベントです。
そのしきたりや習慣を超えたこのカップル2組の行動は寄付の金額に限らず、かなり思い切ったんじゃないでしょうか。何よりこの非常事態でそんな決断ができる相手と一緒になれるなんて素敵です。
インド結婚式の裏側!青空キッチンを見せてもらった
⑮病気の父を乗せて7日間自転車の旅
※5/29 日本でもTVニュースで紹介されていました!
インドのロックダウンでは、ステイホームよりも深刻な問題として移住労働者の対応にも注目が集まっています。都市部には田舎から出稼ぎで働く人が多く、経済活動のストップにより一瞬で何百万の人たちが失業者になってしまったからです。
家賃も払えず、給料も出ないため遠い田舎まで歩いて帰るという過酷な選択をせざるを得ない人が大量に発生し、移住労働者の大移動がインド国内で起きています。
同じように病気の父が失業してしまった15歳のジョーティは、7日間かけて自転車でグルガオンから1170km先の故郷ビハールまで漕ぎ続けました。日本で言えば東京から奄美大島までの距離を1日100~150kmを走り続け、疲れたら路上で寝て、持ってた水と食べ物は全て父親にあげていました。
もはやスーパーチャリダ―。故郷に到着したのち、彼女の度胸とガッツある話を耳にした行政機関がこの家族とその地区を支援することになりました。
インドは広いので…しかも一番暑いこの時期にお父さん乗せて走り切ったなんてすごい。彼女はたまたま取り上げられましたが、他にも見えない所で同じような環境の移住労働者がかなりいるはずです。
各国の労働環境の問題がこのコロナで浮き彫りになってしまっています。早く収束して1日でも今の状態より良くなりますように。
参考記事:The New INDIA EXPRESS”15-year-old girl cycles 1,200 km to bring father home from Gurugram to Bihar”
⑯アイデア勝負?宝石屋が作った銀のマスクが大人気
インドの西側にあるコールハープルには、コロナの影響で落ち込む売り上げを新しいアイデアでビジネスチャンスに変えた宝石店があります。
オーナーのサンディープさんはN95マスク似せたシルバー製のマスクを作ってみた所、予約が殺到し一週間で100個以上売れていると言います。重さは1個25g~35gで値段は2500ルピー(約3500円)から3500ルピー(約4900円)の間で、数日前に予約すれば購入可能です。
ゴールドで作ると30000ルピー(約42000円)まで跳ね上がってしまうため、値段も手頃なシルバーだと結婚式のギフトや式の招待客に人気のようです。
ビジネスって何が当たるか分からないけど、これはインドでしかヒットしなさそうな商品です。笑 私たちが普段使っている不織布マスクが1枚2~3gなので、25gもあるシルバーマスクは息苦しいんじゃ…。下のリンクに実際のマスクを着けているオーナーが見られます。
参考記事:News 18″This Karnataka Jeweller’s Unique Masks are an Instant Hit at Lockdown Weddings”
⑰インドならでは!ヨガで免疫アップするとコロナを防げる?
インドのニューデリーでは、コロナウイルスの免疫力を上げて感染力を防ぐためにホームレスに向けてヨガクラスを開催しました。
彼らは一時的にスポーツ施設のスペースを利用して寝泊まりしていて、この日は何百人というホームレスが集まり、マイクで流れる号令に合わせて体を動かしていました。楽しそうかといったらそうは見えないですが…。
他にもインドでは「ヨガの力でコロナウイルスを治療できる」という動画が多く上がっています。朝のニュース番組でヨガをする時間が設けられたり、全土封鎖中での屋内エクササイズとしてもネットヨガの人気が高まっています。
確かに体を動かしたり瞑想したりすることで気分転換になり、さらにインドにとっては長い歴史のある文化の一つだったりします。他の国では「よし、コロナが流行ってるからみんなにヨガレッスンしよう!」とは中々ならないのではないでしょうか。笑
インドならではの興味深いコロナ対策だなと思いました。
⑱みんな待ってて!移動式ウイルス検査バスが出発
2000万人近い人が暮らすインドの4大都会・ムンバイでは、コロナウイルスの感染者も急増しています。そこで、政府は大規模な陽性検査を行うための移動式バスをスタートさせました。
車内にはAIを使ったX線検査機能や、拭き取り採取式のPCR検査スペースも併設し、感染リスクの高いスラムや孤立しているコミュニティまで移動して検査数を増やしていく予定です。さらにクラウド上で受診者を医師や専門家が追跡できるようにするそうです。
桁違いの人数が住んでる上に、大規模な集団感染が起こり得るスラムも多いインド。政府も次々と対策を発動させています。IT技術も惜しみなく活用され、こっちから感染リスクの高い病院行くより向こうから来てくれて検査出来るってかなり助かりますよね。
参考記事:INDIA TODAY”Mumbai gets its first mobile coronavirus testing bus for mass screening”
⑲イナゴの大軍を追い払え!田んぼに出現したDJブース
コロナによる経済危機を乗り越えるべく世界中が死力を尽くす裏で、地球に新たな試練が訪れました。アフリカ東部で大量発生したサバクトビバッタが紅海とペルシャ湾を超え、イランに上陸。そのまま東へと移動し、インドまでやってきたのです。
食欲旺盛な4億匹のバッタの群れは1日で35,000万人分の農作物を食い尽くし、風に乗って100km以上移動することもあるそうです。実はインドはアメリカに次ぐ世界2位の耕地面積を持つ農業大国。バッタに食い尽くされたらたまったもんじゃありません。
そこで農家が対抗すべく対策を編み出しました。現れたのは畑のど真ん中に置かれたDJブース。爆音で音楽が流れドラムの音が辺りに鳴り響きます。大きな音でバッタを怖がらせようという作戦で、他の地域でも食器を叩いたり車のサイレンを鳴らしている様子がSNSに上がっています。
果たしてこれは効果があるのか…?インドの先に待つ中国は、バッタを1日200匹食べる精鋭アヒル部隊10万羽を緊急招集し、パキスタンに派遣したというニュースもありました。4億 VS 10万がぶつかり合うパキスタン大決戦、アヒル部隊の最前線が決戦の地に到着したという動画はありましたがどうなったのか…。
DJ作戦よりこっちの食物連鎖作戦の方が良さそうな気もしますが、結果は未知数です。
バッタの群れは今どの辺?世界の蝗害マップ:Locust Watch
⑳散髪事情…思い切ったインド警察「床屋はじめました」
ロックダウン中の南インドのケララ州では、インド警察ではあることに困っていました。それは「床屋が閉まって散髪ができない」です。
警察官に自衛隊員に多く見られる、刈り上げスタイルは床屋で”ポリスカット”と呼ばれています。清潔感もあって手入れも簡単。しかし、ロックダウンとなった今では床屋が全て閉まっています。インド名物・路上営業の青空バーバーがたくさんあったんですけどね。
日差しも強いし髪が伸びたら帽子も暑そうです。インド警察たるもの、身だしなみの手入れも怠りません。そこで始まったのが「臨時営業ポリスサロン」です。
使われてない車を利用して鏡やイスなどを準備し、車内のTVにはコロナ対策に役立ちそうな情報が流れ、マスクや手袋など衛生キットも装備。アーユルヴェーダのお茶もサービス、体調が悪くなった警官や女性警官の待機室なども兼ねています。
私の携帯に届くインドニュースでは、「学校授業や企業の営業再開はいつか?」と同じくらいの深刻さで「床屋の営業再開はいつか?」という見出しを何回か見かけます。多分、私たちが思ってるよりもインド男性にとって散髪事情も一大事なんだと思います。
参考記事:The Economic Times“A police salon in Kerala is setting hair straight”
まとめ
やっぱりインドって面白い。このカテゴリは今後も紹介したいニュースを集め次第随時更新していきます。